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2025年08月27日 栄養・食事(食の工夫・予防) NEW

夏の疲れを癒す食養生(しょくようじょう)〜管理栄養士が考える初秋の食卓

皆さま、こんにちは。京都〈ゆうゆうの里〉スタッフです。
いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
8月も下旬となりましたが、まだまだ日中は強い日差しが照りつけ、厳しい残暑が続いております。秋の涼しさを待ち望みつつ、夏の名残を感じる日々ですね。

京都〈ゆうゆうの里〉の広い敷地内では、木陰を選んで散策される方や、館内で趣味の活動に励まれる方の姿が見られます。
暑さに配慮しつつも、皆さま思い思いの時間を過ごされているのが印象的です。
まだ気温の高い日が続きそうですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。

1.夏の終わりに感じる「季節の疲れ」

8月の終わりは、朝夕の風が少しずつ涼しくなり、秋の気配が感じられる時期です。
しかし、昼間はまだまだ暑く、体は夏の疲れを引きずっていることも少なくありません。
この時期によく見られるのが、「夏バテ」や「季節の変わり目の体調不良」です。

原因は、長く続く暑さによる睡眠不足や食欲減退、冷たい飲み物や冷房による体の冷えなど。体が疲れを感じやすくなり、免疫力も落ちてしまいます。
そんなときに役立つのが、日本に古くから伝わる「食養生(しょくようじょう)」の考え方です。

2.食養生(しょくようじょう)とは何か

食養生とは、食事を通して体の調子を整え、病気を予防する生活習慣のこと。
季節や体調に合わせた食材や調理法を選び、「体の内側から元気をつくる」ことを目的としています。

例えば、暑い夏には体の熱を冷ます野菜や果物を、寒い冬には体を温める食材を取り入れます。
四季の移り変わりがはっきりしている日本では、旬の食材を食べること自体が自然な食養生になります。

3.夏バテ回復におすすめの食材

初秋は、夏の疲れを癒しながら、徐々に涼しい季節に備える時期です。この時期におすすめの食材を、管理栄養士の視点からご紹介します。

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●魚介類(特に青魚):EPAやDHA、ビタミンB群が疲労回復に役立ちます。

●れんこん:粘膜を守る働きがあり、風邪予防にも。

●かぼちゃ:βカロテンやビタミンCが豊富で、免疫力アップに。

●梨:水分補給と体のほてりを取る効果が期待できます。

●しょうが:冷房で冷えた体を温め、血行を促進。

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これらを組み合わせることで、栄養バランスが良くなり、体調も整いやすくなります。

4.京都〈ゆうゆうの里〉の初秋メニューの一例

京都〈ゆうゆうの里〉では、施設内の厨房で栄養士が季節に合わせた献立を考え、毎日の食事を手作りしています。昨年のこの時期の夕食には、こんな献立をご提供しました。

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●土佐風鰹のたたき・すき焼き風煮・ハムとキャベツの胡麻和え・ご飯・みそ汁

→ 鰹のたたきは、たんぱく質やDHAが豊富で、疲労回復や脳の働きを助ける一品。副菜には、鉄分やビタミンが摂れるすき焼き風煮と、腸内環境を整える胡麻和えを組み合わせました。彩りも豊かで、見た目にも食欲をそそる初秋らしい献立です。

●串カツ5種盛り合わせ(豚ヒレ・レンコン・うずら玉子・海老・イカ)・さつま芋とすき昆布の煮物・くらげの春雨中華和え・ご飯・みそ汁

→串カツ5種盛りは、豚ヒレ・海老・イカなどのたんぱく質に加え、夏バテ対策に役立つビタミンCや食物繊維を含むレンコン、栄養価の高いうずら玉子を組み合わせた一品。副菜には、ミネラル豊富なすき昆布と甘みのあるさつま芋の煮物、さっぱりとしたくらげの春雨中華和えを添え、食欲が落ちやすい時季にも嬉しいバランスです。

見た目にも季節感があり、旬の味覚を楽しみながら自然と体調を整えられる献立です。入居者様からも「季節を感じられる」「食欲が戻った」と好評をいただいています。

5.おわりに〜食事で季節を感じながら

季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期です。
しかし、旬の食材を取り入れた食事を心がけることで、自然と体の調子は整い、毎日を元気に過ごせます。

京都〈ゆうゆうの里〉では、栄養バランスと季節感を大切にした献立づくりを通して、入居者様の健康を支えています。
この初秋、皆さまもぜひ「食養生」を意識した食卓で、夏の疲れをやさしく癒してください。