2025年09月19日 NEW
読書の秋に楽しむ音読と朗読〜脳と心を活性化する習慣〜

こんにちは。京都〈ゆうゆうの里〉スタッフです。
9月も半ばを迎えましたが、今年は例年に比べてまだ暑さが残っており、本格的な秋の訪れはもう少し先のようです。とはいえ、朝夕には少しずつ涼しい風が感じられるようになり、施設の敷地内でも季節の移ろいを探しながら散策を楽しまれるご入居者の姿が見られます。
そんな「夏と秋のあいだ」の今の時期に、今回は「声に出して読む楽しみ」に注目してみたいと思います。読書の秋に向けて、音読や朗読の魅力をご紹介いたします。
目次
1.はじめに〜読書の秋に声を出して楽しむ習慣
「読書の秋」という言葉があるように、秋は本を読むのにぴったりの季節です。心静かに本と向き合う時間は、心を豊かにしてくれます。
そんな読書に、少しだけ“声”を加えてみると、また違った楽しみが広がります。
声に出して読むことで、脳への刺激が増し、気分もリフレッシュ。自分の声で物語を味わうことで、記憶にも残りやすくなります。
今回は、この「音読・朗読」がもたらす健康効果や楽しみ方について、分かりやすくお伝えしてまいります。
2.音読・朗読とは?その違い
「音読」は自分のために声を出して読むこと、「朗読」は聞き手を意識して感情を込めて読むこと——。どちらも“読む”という行為に「声」を加える点が共通しています。
読む、話す、聞くという複数の感覚を同時に使うことで、脳の働きがより活発になるといわれています。
3.音読・朗読が脳に与える効果
研究によれば、音読や朗読には以下のような脳へのメリットがあります。
・前頭前野を中心に、言語や記憶を司る脳領域を幅広く刺激
・「見る」「話す」「聞く」の連動による認知機能の活性化
・声を出すことによる発語機能や呼吸のトレーニング効果
これらは、認知症予防の観点からも注目されています。
4.心の安らぎや生きがいにもつながる
音読・朗読は、ただのトレーニングではありません。心を落ち着けたり、思い出を呼び起こしたりと、情緒的な効果もあります。
詩や物語を声に出して読むことで、自分の内面と向き合う時間に昔読んだ作品を再び声に出すことで、懐かしい記憶が蘇ります。
また、グループでの朗読活動は、交流と達成感につながります。
声に出すことで気持ちが整理される、というお声もよく聞かれます。
5.京都〈ゆうゆうの里〉 読書に彩られた日常の風景
京都〈ゆうゆうの里〉では、四季の自然に囲まれた落ち着いた環境の中で、読書を楽しむ日常が根づいており、文学作品や詩集、エッセイなどご入居者からの寄贈による蔵書を中心とした図書室は、まさに“読書の秋”を満喫できる場となっています。昨年からは目の不自由な方のために大活字本の導入も進めており、多様な方に読書を楽しんでいただけるよう工夫を重ねています。

こうした取り組みに加えて、読書好きな方は施設からシャトルバスで5分の宇治中央図書館を利用される方も多くいらっしゃいます。さらに、季節ごとの催しやサークル活動も活発で、声に出して読む活動やスタッフとの会話など、声や言葉を通じた交流が日常の豊かな時間を彩っています。
https://www.city.uji.kyoto.jp/site/uji-publiclibrary/82442.html
6.ご自宅でも気軽に始められる方法
音読や朗読は、特別な道具も準備もいりません。
・毎朝の新聞を声に出して読む習慣をつける
・好きな俳句や詩を数行だけ読んでみる
・家族と一緒に昔話を読み聞かせのように楽しむ
最初は短い作品から、ゆっくり、無理のないペースで始めてみてください。
秋は静けさと豊かさを少しずつ感じられる季節です。残暑の中にも、朝夕の涼しさや虫の声に秋の気配を見つけることができます。そんなひとときに、声に出して本を読む——それだけで心も体も軽くなり、日々の暮らしに小さな喜びが加わります。
私たちスタッフも、入居者の皆さまが音読や朗読を心地よく楽しめるよう、これからも寄り添ってまいります。